【自然と共棲】野生の証明【生命の叫び】

榛名湖スケートリンク 人生
榛名湖スケートリンク

野性的に生きる!

先輩との2日間の未曾有の体験

常識を超えた感性の先輩

しゃかじいの先輩にNさんという方がいて、彼は大学は理学部の動物学科の出身なんですが、私達の常識ではとらえきれない感性の持ち主でした。

彼は群馬県のG大学の医学部助手をやっていたんですが、ある時一度遊びに来ないかと誘われ群馬県の前橋市に出掛けました。

夕方近くになると前橋市の駅前付近もすっかり灯りが消え、まるで田舎のような観を呈していました。

旧前橋駅

旧前橋駅

現在はどうか分からないが、前橋は健全な街で、都会のように夜遅くまでふらふら遊んでいるような人はいなかったようです。

群馬の焼き肉は豚肉が主体だった

車で迎えに来た彼は、これから焼き肉を食べに行こうと言って私を郊外の焼き肉専門店に連れて行きました。

注文するとすぐ大量の肉が運ばれてきました。

よく見ると、どうも牛肉でなくて豚肉のようである。

焼き肉

焼き肉 現在は箸でなくトングを用い焼く

画像:インターネットから引用

牛肉の焼き肉しか食べつけていない私にとって新しい驚きだったが、先輩によると群馬県は昔から貧しかったため牛肉はほとんど食べず、焼き肉やすき焼きでは豚肉を食べる習慣になっているとのことであった。

やたら一杯割り箸が置いてあり、先輩は豚肉を焼きながら、焼き箸では絶対に食べるなときつく注意し、食べる箸と区別して食べるように促しました。

今はトングという便利なものがあり、衛生面でも考慮されていますが、昔は焼き肉には箸を使って焼いていました。

一見でたらめなような風貌をしていますが、食べ物などにはかなり繊細な神経を持っていました(笑)

豚肉の焼き肉は食べると新鮮な美味しさがあり、牛肉にはない味覚に舌鼓

その日は先輩の家で宿泊となりました。

奥さんは優しい方でしたが、2人のお子さんはまるで野生児のようで、元気いっぱいでした。

私も小学校の頃学校が終わった後、近くの山に分け入り野生のぶどうやぐみなどを食べて野生児のような生活をしていたことを思い出しました。

今は群馬にも美味しい上州牛がある

後年、しゃかじいが仕事でG大学を訪問した時、仕事が終わり近くの料理屋で食事をした折にはお店の女将さんから上州牛の美味しいのがありますよと言われ食してみた。

上州牛

上州牛

画像:インターネットから引用

非常に味もよく素晴らしい牛肉で、あの豚肉を主体に食べていた当時の群馬県とは隔世の感がしました。

時代が変われば物もどんどん変化するな~というのが実感でした。

マムシを自宅で飼う

さらに驚いたことにNさんは自宅の庭にマムシを飼っていたのです。

画像:インターネットから引用

勿論逃げないようにはしてありましたが、マムシを飼うとはいかにも先輩らしいと感じ入りました。

私も小さい頃、マムシをあちこちで見かけたことがあり、一度踏みつけたこともありビックリした体験があります。

実は彼の家の隣は同じ研究室の助教授の家らしく、高い塀で囲われていました。

Nさんの家の子供はその塀を乗り越えて隣の庭でも自由に遊んでいたらしく、隣の家では自宅の子供が先輩のところの子供と遊ばないように庭の中に鍵付きの柵を作って、その狭いスペースで子供を遊ばせていたらしい。

笑ってしまうような話ですが、隣の助教授はそれほど先輩とその子供には強い警戒感を持っていたようである。

ゆで卵は細菌のかたまり

ある時、先輩が研究室でゆで卵を食べていたら、その助教授が眉をひそめてそんな微生物がうようよいるものをよく食べますねと事も無げに言っていたとのことである。

先輩の野性的かつ奔放な生活とはあまりにも対照的な病的とも思える神経質さには私も驚き、思わず笑ってしまいました。

翌日は朝早くから彼がアルバイト兼研究にいつも行っているという群馬県太田市薮塚のスネークセンターに出掛けました。

薮塚スネークセンター

薮塚スネークセンター

画像:インターネットから引用

現在はこんな立派な建物だけど、当時はもっと古かったような気がします。

ハブが流れる川

この薮塚のスネークセンターではニシキヘビやキングコプラなどの世界の蛇も展示されていますが、私が驚いたのは白い川のようなものが流れている光景を目にした時である。

先輩にあれは何ですかと聞いたら、あれは全部ハブということで、物凄い数のハブが川のように流れていたわけです。

このハブが川のように流れている様子を見たら、気の弱い人は卒倒してしまうかもしれません。

マムシのふんこき

マムシ入り酒など売っているメーカーがありますが、彼はアルバイトとしてマムシのふんこきといって酒に浸ける前処理のマムシの排泄物処理の仕事をアルバイトとしてやっていたようである。

人が恐れるマムシを手に取ってふんこき、これには最早驚きを通り越して敬服の念が生じました。

ハブなんかも噛まれてても舐めておけば治るとか、冗談も多少含まれるとしても最早私なんかの常識では到底考えられないことを平気で語っていました。

もう一つの驚き

スネークセンターで先輩から米国人の研究者を紹介されました。

何でもアマゾン川の上流域で30年間生活し、アマゾンの水をずっと飲み続け腸が腐敗し、切断したとのことで、壮絶な人生を送っている方がいることをはじめて知りました。

あのジャングルに囲まれたアマゾン川上流で生物研究とは言え30年間も住み、しかもアマゾンの水を30年間飲み続けたというのですから驚嘆に値します。

アマゾン川

アマゾン川

画像:インターネットから引用

その方の家に行ったのですが、人工肛門をつけているとのことで、ドアを開けると思わずウっとなるような異様な臭いでたじろいでしまいました。

先輩の交流範囲は無尽蔵に凄いすさまじいものが沢山あることをあらためて知らされた瞬間でした。

榛名湖を目指す

薮塚を出て、今度は群馬の誇るべき観光地榛名湖を目指すということで車を飛ばし榛名湖にようやくたどり着きました。

その頃榛名湖は冬で湖面は凍り付いていました。

沢山の人達が天然リンクで思う存分スケートを楽しんでいました。

榛名湖スケートリンク

榛名湖スケートリンク(1972年頃)

画像:インターネットから引用

時々バリバリという大きな音がするので、氷が割れる音かと聞いたら逆で氷が成長するとき盛り上がるので、バリバリという音がするんだと教えてくれました。

現在は地球温暖化の影響か、残念なことに榛名湖が全面凍結しないでスケート解禁見送りのことも多いようです。

榛名湖でスケートにチャレンジ

そして、いきなりスケート靴を借りて来て、滑ってみろというので、長い間スケートをやったことがなかったので自信がなかったのですが、思い切って滑ってみたら意外にうまく滑れていい汗をかくことができました。

初ワカサギ釣りは面白かった

次はワカサギ釣りをやってみようと言って、釣り道具を借りて来て早速釣りを開始しました。

ワカサギ釣り

ワカサギ釣り

画像:インターネットから引用

氷に穴を開けて釣るんですがなかなかうまく釣れません。

慣れないとなかなか難しいようです。

しかし、なんとか3匹ほど釣れたところで、天麩羅を揚げてくれるところがあるから行こうということで、新鮮なワカサギの天麩羅を堪能しました。

2日間の先輩との付き合いを通して、いかに自分がひ弱い人間であるかということを思い知りました。

奔放な野性的な先輩の風貌はいかにも強そうです。

その後先輩とは仙台で開催された日本免疫学会で会ってからずっとお会いしていないのですが、アフリカにゴリラの研究に出掛けると言って日本を去ってからいまだに消息がありません。

先輩は青森の下北半島のニホンザルの研究にも取り組んでいましたが、彼の生き方にはとにかく自然と共に生きる生命の原点のようなものを感じ取ることができました。

あまりにも都会化して自然というものが感じられなくなっている現在このような野性的な生命感あふれる生き方は本当に大きなインパクトとなりました。

つい最近も電車で人が座席から立ち上がり、あちこちに逃げているから蛇でも電車の中にいたのかなと思って見てみると大きいとはいえ、ゴキブリが這いまわっているだけでした。

かくもひ弱な社会でこれからの困難な時代を生き抜けるのかとふと強く感じました。

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