ブラジルは危険がいっぱい!
リオデジャネイロの国際リウマチ学会に参加
もう30年くらい前になりますが、ブラジルのリオデジャネイロ(リオ)で国際リウマチ学会が開催されました。
私も学会に演題をエントリーし、多くの日本のリウマチ研究者とともにリオ入りしました。
皆さんブラジルって国は日本のほぼ反対側にあることご存知ですか?
日本からブラジルに行くには24時間
先ず日本の成田からブラジルのサンパウロを目指しました。
24時間かかるので、米国のロサンゼルスで給油のトランジットがあります。
ようやくサンパウロに着いて空港でエスプレッソを飲みました。

エスプレッソ
物凄い苦さでカップが小さくて助かりました。
サンパウロから目的地のリオに向かい、ようやく空港から宿泊するホテルに到着しました。
リオのホテルは最高のロケーション
リオのホテルは世界的に有名なコパカバーナ海岸に面していて、多くの地元民や観光客で賑わうところでした。
コパカバーナ海岸は白い砂浜が続き、美しいカーブを描いていて、太陽が照りつけるとまさにリオの象徴といった感じです。

コパカバーナ海岸
ビーチではマリンスポーツ、ビーチバレー、サッカーを楽しむ姿が多く見られ、サッカー王国ブラジルの足腰はこの砂浜で鍛えられるんだなと感じました。
ビーチ沿いのアトランティカ大通りには多くのホテル、レストランや商店が立ち並んでいます。
リオの治安は最悪と領事館から警告
このようにとても美しく楽し気なリオの海岸沿いですが、実は危険がいっぱい待ち構えています。
ブラジルに行く前にリオの治安についてブラジル領事館に問い合わせておきました。
楽し気で愉快そうな空気の中に実は危険がいっぱいひそんでいることを伺いました。
例え100mぐらいしか離れていないところでも必ずタクシーに乗るように警告を受けました。
リオ到着後危険回避のため、リムジンを1台チャーターしました。
その夜はホテル近くのレストランで食事をしました。
勿論、リムジンで送迎してもらいました。
日本男児だと気炎をはいていた人
同じホテルで宿泊した日本からの学会参加の人の中に、ブラジルは治安が悪いというが、俺は日本男児だビビることはないと気炎をはき、俺は歩いてレストランに行くと仰っていた方がいました。
私達がリムジンから見る限り、夜のコパカバーナ海岸にも多くの地元の男女の若者そして子供がたむろしていました。
翌朝の見るも無残な日本男児の顔!
翌日の朝、ホテルのレストランで、昨日俺は日本男児と叫んでいた方にお会いしました。
彼は昨晩レストランで食事をした後、ホテルまでいい空気にあたろうとコパカバーナ海岸を歩いて帰ったようです。
コパカバーナ海岸を歩いていると、目の前にくるくる回る灯りをともしたものを持った子供が近づいてきて、それに気を取られている間に周囲にいた若者に素早くポケットの中に手を差し入れられて所持金を全部奪われてしまったようです。
夜のコパカバーナ海岸にたむろする子供、若者は全てグルなんですね。
子供をおとりに使い、若者が強奪を担当する、本当にプロの仕業です。
日本男児は自分の認識の甘さを反省し、日本の常識はこのブラジルで通用しないことを初めて知ったとつらい表情で語っていました。
私がパスポートのことを聞いたら、幸いにもパスポートは持ち歩いていなかったらしく取られずに済んだようです。
私達と一緒にリムジンで行動したG先生は何か精力が満ち溢れているようで、朝のアトランティカ大通りをジョギングしたようで、ショートパンツ姿で朝食を食べに来ていました。
学会に出発
朝食後、リムジンで学会に出掛ける準備をするためにホテル前に停めてあるリムジンのところに行ったら、小さな子供でいっぱい。
どうしたのか見ていると、リムジンの運転手が子供の集団に向かって小銭を投げつけました。
いっせいにその小銭に飛びつく子供達、その中で小銭を手にしたものだけが車の中を掃除できる権利を得るということが分かりました。
ブラジルは貧富の差が激しく、ホテルから望めるところに貧民街と呼ばれる建物が奥の丘陵地に多く見られました。

リオ貧民街
群がっていた子供たちはこの貧民街から来ているとのことでした。
小銭を投げつける光景は本当に無残なもので、思わず目をそむけてしまいました。
現在日本でこのような光景を見ることはまずないと思います。
日本も第二次世界大戦後間もない頃はアメリカの進駐軍の周りにGive me chocolateといって子供が群がったと聞いていますが、私が小学校に入るころにはそのような光景は見られませんでした。
貧富の差が人間の心をかくもすさんだものにすることを痛感しました。
学会からホテルに帰った時銃撃戦が
学会会場からホテルに帰るときは学会専用のバスが出ていたのでそれに乗ってホテルに到着しました。
到着した直後にすさまじい銃声が聞こえました。
危ないのでバスの中で待機することにしました。
ホテルの1階に宝石店が入っているのですが、強盗団が宝石を奪おうとして店内に入ったところホテルのガードマンとの間で銃撃戦になったようです。
しばらくして、強盗団は一人残らず射殺されたという情報でバスを降りホテルの部屋に辿り着くことができました。
日本だとガードマンがピストルを持っていて強盗を射殺するということは考えられませんが、ブラジルはとても法治国家といえる状況でないことをあらためて実感しました。
ブラジルにお土産物屋を出しているYさんの話
ホテルで少し休憩した後、リムジンで日本人のYさんが経営しているお土産物店に行って色々店内を見回ってからYさんの話を伺うことができました。
Yさんはブラジルに柔道を伝道した人で地元民の信頼も厚いようでした。
ホテル前での銃撃戦の話をしたら、そんなことはリオでは日常茶飯事で、巻き込まれて死亡する危険性もあると私達にくれぐれも注意するようにと話されました。
それと怖いのは子供だそうで、子供から物をくれと言われたらパスポートなどの貴重品を除き渡した方がいいと言っていました。
子供もピストルを持っていて、大人から威嚇されると反射的に銃を発砲することが多々あるようでそれで犠牲になった人も多いと語っていました。
底なし沼のように根の深いブラジル社会の貧富の差と犯罪を犯さないと生きていけないような切羽詰まったところにある人がかなり多くいることを実感しました。
日本にいると安全はあたりまえと考えていますが、安全は決して最初からあるものではなく、社会規範、道徳観などを含め教育を受け、法治国家としての体制を確立しているから言えることだとあらためて痛感しました。
皆さんも世界各国に出掛ける時は決して日本の安全常識は他国で100%通用することがない、絶えず危険もともなっていることを念頭に行動された方がいいと思います。
コメント
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