多くの国民に勇気と感動を与えたオリンピックが終幕し、現在幾多の障害を乗り超えて頑張って来られた選手の皆さんが参加するパラリンピックが行われています。
一方、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが鎮静化するどころか、デルタ変異株蔓延による感染拡大が高止まりの様相で、病院での治療体制も逼迫し、自宅での療養を余儀なくされる方々が厚労省発表で2021年8月28日時点で11万8035人に達しました。
自宅療養中に症状が悪化し、入院も出来ないまま重症化し、死亡する例が多くなって来ていて、早急な対応が求められています。
今のままでは、自分の身は自分で守るしかないという最悪の事態となりかねません。
今回は、これまでのコロナ感染状況と対策を総合的に考察し、現在とりうる最善の対応策について緊急提言したいと思います。
緊急事態宣言延長の効果は?
コロナウイルスワクチン接種の効果評価
ワクチン効果は明らかとの報告:大阪府、三重県、英国
8/18配信のヤフーニュースによると大阪府の新型コロナウイルスに対する対策本部会議が8/16に実施され、大阪府内の新規陽性者におけるワクチン接種歴の分析データが公開されました。
第4波(3/1~8/15)の新規陽性者数は8万5325人、その内ワクチン接種をしていた人は2118人
で全体の2.5%、さらに2回接種後14日以降に発症した317人は全体の0.4%にとどまり、しかも重症・死亡者数は0人と明らかなワクチン効果が報告されました。
今回の成績を受け、具体的なデータでワクチン接種の明らかな効果が示されたことから、今後8月、9月も統計をとって数を重ねたいと述べています。
接種によりコロナの重症化、死亡を下げる効果が実証されたので、是非接種していただきたいと話しています。
三重県の鈴木知事も8/19の定例記者会見で県内の各保健所が疫学調査を行い、8/1~8/16のコロナ新規感染者1423人からワクチン接種歴を聞き取り、1332人から回答を得た結果を集計したところ、1179人(88.5%)はワクチン未接種で、この内12人が重症化し、3人が死亡したのに対しワクチン2回接種後に感染したのは69人(5.2%)で重症者と死者は0人だったと発表しました。
また8/29FNNプライムオンラインで、英国のケンブリッジ大学の調査結果が報告されています。
新規コロナ感染者4万3000人を調査したところデルタ変異株感染の場合、アルファ変異株より2.26倍入院するリスクが高いことが明らかとなり、感染者の74%がワクチン未接種だったのに対し、2回接種済みの感染者は1.8%にとどまったとのことです。
これらの結果から、ワクチン接種をしていない人にデルタ変異株が感染拡大すると医療体制に大きな負担をかけることになると指摘しています。
東京都をはじめ大都市圏でもワクチン接種と未接種者でコロナ新規感染者数、重症者数、死亡者数が具体的にどうなっているのか早急に分析し、数字で示すことで多くの国民の理解を得ることが出来るのではないかと思います。
あいまいな定性的な物言いでは多くの人々を説得することは最早難しいのではないでしょうか。
大阪、三重での実証的な分析データはワクチンの有効性を納得していただくための貴重な報告だったと思います。
毎日のようにテレビ等で新規感染者数を発表し、先週の同じ曜日と比較していますが、新規感染者数、重症者数、死亡者数とワクチン接種の有無との関係が明らかにならないと、ほとんど意味がないと思います。
これは大阪府と同じように都道府県単位で疫学調査を実施し、データを発表すべきだと考えます。
軽症から中等症患者への抗体カクテルの積極的投与の検討
今、非常に注目されているのが小児への感染拡大です。
小児はワクチン接種していないため、免疫がないので感染力の強いデルタ株では感染の拡大が予想されていて、実際小児での新規感染者数は急激に増加していて、第4波初期の約4倍となっています。
米国でも小児のコロナ新規感染者数の増加により小児科病棟が逼迫しているようです。
日本でも夏休み明けの保育園、小中高等学校での感染の急拡大が懸念されます。
またデルタ変異株は感染力だけでなく、早く重症化させるのではないかと推定されています。
このところ新規感染者数が数字上減少しても重症者数が増加していること、また先述のケンブリッジ大学の調査結果からデルタ変異株は重症化を早めていることを示唆していると思います。
救急搬送に携わっている方々も今年の4月、5月頃に比べ、重症の患者が増えているようで、咳や発熱にとどまらず、吐き気や腹痛を訴える人が増加しているとのことです。
軽症・中等症の患者が多い自宅療養者への抗体カクテル投与
まとめ
- 新型コロナワクチン接種により感染者の症状の重症化、死亡が防止できることが明らかとなり、今後さらにワクチン接種を推進することの重要性が判明した。
- 軽症から中等症患者に適用できる薬が使用可能となったことにより、患者の重症化防止と医療体制逼迫化の回避に向けて明るい材料が提供された。

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