【ワクチンの評価】混迷極まるコロナ状況打開への提言【重症化回避】

コロナ感染情報

多くの国民に勇気と感動を与えたオリンピックが終幕し、現在幾多の障害を乗り超えて頑張って来られた選手の皆さんが参加するパラリンピックが行われています。

一方、新型コロナウイルス感染拡大の勢いが鎮静化するどころか、デルタ変異株蔓延による感染拡大が高止まりの様相で、病院での治療体制も逼迫し、自宅での療養を余儀なくされる方々が厚労省発表で2021年8月28日時点で11万8035人に達しました。

自宅療養中に症状が悪化し、入院も出来ないまま重症化し、死亡する例が多くなって来ていて、早急な対応が求められています。

今のままでは、自分の身は自分で守るしかないという最悪の事態となりかねません。

今回は、これまでのコロナ感染状況と対策を総合的に考察し、現在とりうる最善の対応策について緊急提言したいと思います。

緊急事態宣言延長の効果は?

政府は爆発的なコロナデルタ変異株の蔓延拡大による医療体制の逼迫、重症者の増加への対応策として、以下のように緊急事態宣言期間を延長、対象地域を拡大しました。
(政府発表より引用)
確かに観光地に出掛ける件数は減少気味とのことですが、観光客の激減にまでは至っていないようです。
デパート、スーパーなどでの買い物客も依然かなり多いままです。
テレワークも政府が求めている7割には全く届いていません。
酒を提供する飲食店への休業要請については多くの店が協力していますが、一部店舗では酒類の提供を行い、しかも夜8時以降の深夜営業しているのが見受けられます。
客もこの店では酒が飲めると集まって来ていて、お互いに居直りに近い自己の正当化を図っているかにみえます。
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身会長は緊急対策を提言し、東京の人流を5割削減、テレワークで出勤者数7割減、感染リスクの高い場面の回避、路上、公園等での飲食の自粛などを呼びかけました。
現状、呼びかけにもかかわらず、十分浸透しているとは言えないと思います。
事実、緊急事態宣言下にもかかわらず、依然コロナウイルス感染者数は高止まりの状態にあります。
また、ロックダウンのような手段は現状の日本では法的に難しいと考えられます。
結論的に言うと緊急事態宣言内容の遵守を呼びかけるだけではデルタ変異株による爆発的なコロナ感染拡大を阻止することはなかなか困難と考えられます。

コロナウイルスワクチン接種の効果評価 

ワクチン効果は明らかとの報告:大阪府、三重県、英国  

8/18配信のヤフーニュースによると大阪府の新型コロナウイルスに対する対策本部会議が8/16に実施され、大阪府内の新規陽性者におけるワクチン接種歴の分析データが公開されました。

 

第4波(3/1~8/15)の新規陽性者数は8万5325人、その内ワクチン接種をしていた人は2118人

で全体の2.5%、さらに2回接種後14日以降に発症した317人は全体の0.4%にとどまり、しかも重症・死亡者数は0人と明らかなワクチン効果が報告されました。

今回の成績を受け、具体的なデータでワクチン接種の明らかな効果が示されたことから、今後8月、9月も統計をとって数を重ねたいと述べています。

接種によりコロナの重症化、死亡を下げる効果が実証されたので、是非接種していただきたいと話しています。

三重県の鈴木知事も8/19の定例記者会見で県内の各保健所が疫学調査を行い、8/1~8/16のコロナ新規感染者1423人からワクチン接種歴を聞き取り、1332人から回答を得た結果を集計したところ、1179人(88.5%)はワクチン未接種で、この内12人が重症化し、3人が死亡したのに対しワクチン2回接種後に感染したのは69人(5.2%)で重症者と死者は0人だったと発表しました。
また8/29FNNプライムオンラインで、英国のケンブリッジ大学の調査結果が報告されています。

新規コロナ感染者4万3000人を調査したところデルタ変異株感染の場合、アルファ変異株より2.26倍入院するリスクが高いことが明らかとなり、感染者の74%がワクチン未接種だったのに対し、2回接種済みの感染者は1.8%にとどまったとのことです。

これらの結果から、ワクチン接種をしていない人にデルタ変異株が感染拡大すると医療体制に大きな負担をかけることになると指摘しています。

東京都をはじめ大都市圏でもワクチン接種と未接種者でコロナ新規感染者数、重症者数、死亡者数が具体的にどうなっているのか早急に分析し、数字で示すことで多くの国民の理解を得ることが出来るのではないかと思います。

あいまいな定性的な物言いでは多くの人々を説得することは最早難しいのではないでしょうか。

大阪、三重での実証的な分析データはワクチンの有効性を納得していただくための貴重な報告だったと思います。

毎日のようにテレビ等で新規感染者数を発表し、先週の同じ曜日と比較していますが、新規感染者数、重症者数、死亡者数とワクチン接種の有無との関係が明らかにならないと、ほとんど意味がないと思います。

これは大阪府と同じように都道府県単位で疫学調査を実施し、データを発表すべきだと考えます。

軽症から中等症患者への抗体カクテルの積極的投与の検討

英国のアルファ変異株に比べ、インドのデルタ変異株は感染力が強いため、これまでより若者、小児への感染が拡大していると考えられます。
(ヤフーニュースより引用)

 

今、非常に注目されているのが小児への感染拡大です。

小児はワクチン接種していないため、免疫がないので感染力の強いデルタ株では感染の拡大が予想されていて、実際小児での新規感染者数は急激に増加していて、第4波初期の約4倍となっています。

米国でも小児のコロナ新規感染者数の増加により小児科病棟が逼迫しているようです。

日本でも夏休み明けの保育園、小中高等学校での感染の急拡大が懸念されます。

またデルタ変異株は感染力だけでなく、早く重症化させるのではないかと推定されています。

このところ新規感染者数が数字上減少しても重症者数が増加していること、また先述のケンブリッジ大学の調査結果からデルタ変異株は重症化を早めていることを示唆していると思います。

救急搬送に携わっている方々も今年の4月、5月頃に比べ、重症の患者が増えているようで、咳や発熱にとどまらず、吐き気や腹痛を訴える人が増加しているとのことです。

軽症・中等症の患者が多い自宅療養者への抗体カクテル投与

現在コロナ感染症患者に用いられている治療薬は次の表のとおりです。
オレンジ色が承認されている治療薬です。
この内、軽症から中等症の患者さんに使用できる治療薬はロナプリーブ点滴静注セットで厚生労働省から本年7月19日に世界で初めて製造販売承認を取得した抗体カクテル製剤です。
この抗体カクテル剤はカシリビマブ、イムデビマブの2種類の抗体を混合し1回点滴静注します。
1回の投与で重症化の抑制と症状消失までの時間短縮が確認されていて、中外製薬が日本における開発権及び独占的販売権をロシュ社より取得しています。
デルタ変異株が感染拡大を引き起こしていることから、特異性が異なる2種の抗体を用いることでより有効なことが期待されます。
(日本経済新聞より引用)
当初、点滴静注後に観察が必要とのことで、入院患者に使用することで承認を得ていましたが、入院患者は発症後7日を経過している可能性が高く、発症7日までの軽症者に投与する本剤の投与対象者を選定することが難しいことから、厚生労働省はこれまでの入院、宿泊療養患者以外に外来診療でも使えるようにする方針を決定しました。
このことで現在増加している自宅療養者の発症早期の軽症~中等症患者への投与も可能になります。
大阪府では8/27から新型コロナウイルスの自宅療養者向けに重症化を防ぐ抗体カクテル療法を病院の外来診療で開始しました。
療養者は保健所などから紹介を受け診療を予約し、徒歩あるいは車で通院する必要があります。
感染初期の患者では感染後すぐには抗体が作られないため、感染後症状の進行が速いデルタ変異株の場合抗体が作られる前に症状が進行し、重症化する恐れがあります。
感染後患者の体内で抗体が作られ始める前のつなぎとしてカクテル抗体を投与することで、コロナウイルスの細胞への侵入、増殖を抑える効果が期待できます。
8/27のテレ朝ニュースで抗体カクテル療法について中外製薬が皮下注射でも投与できるよう厚生労働省に承認申請する方針であることが明らかとなりました。
皮下注射が出来るようになれば外来患者への投与がしやすくなり、利便性はかなり高くなります。
軽症から中等症患者への治療薬使用が可能になったことで、ワクチン接種率のアップに加え、新たなコロナ対策の選択肢が増えることになります。
この他、塩野義製薬もコロナウイルスの増殖を抑制する飲み薬タイプの治療薬を開発し、年内にも条件付き早期承認を目指しています。
1日1回、5日連続投与することで体内のウイルスを除去し、重症化を防ぐと期待されています。
中外製薬はじめ他社でも飲み薬タイプの軽症~中等症向けの飲み薬タイプの治療薬を開発中で、来年度の初めにはいくつかの薬が使用できることが期待されます。

まとめ

  1. 新型コロナワクチン接種により感染者の症状の重症化、死亡が防止できることが明らかとなり、今後さらにワクチン接種を推進することの重要性が判明した。
  2. 軽症から中等症患者に適用できる薬が使用可能となったことにより、患者の重症化防止と医療体制逼迫化の回避に向けて明るい材料が提供された。
【ワクチン接種】新型コロナウイルス感染克服の道筋【コロナ治療薬】
2019年12月の中国武漢に端を発した新型コロナウイルスは世界中に感染拡大しパンデミック状態に陥っています。ワクチンが開発され、ワクチン接種率第1位のイスラエルでは感染が激減、死者がゼロとなりました。日本でのワクチン接種は非常に遅れています。治療薬開発も着実に進んでいて既承認薬以外の有望な開発薬が年内にも実現しそうな状況です。
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